Ray

plagio2005-03-16


日曜、夜ぽかんと時間が空いたのでRayを見てきた。
シネマライズは日曜最終上映はジャスト1,000円なんで、おー天下一品半ライス付一回分浮くじゃんと思い、3つの作品の中から消去法でこれを選択。ホントは『渋谷物語』か『呪怨』が見たかった。

話の筋はヘロイン中毒で色情狂で物真似上手なレイ・チャールズ爺が12人もの子供を作って幸せに暮らしましたとさという毒にも薬にもならんような内容だったのだが(半分嘘)、ちょっといいシーンがあった。

レイ・チャールズが自立して生活しようと故郷のフロリダから単身グレイハウンドでシアトルへ向かい、ブッキングしていた場末のクラブに降り立つ。その軒先でトランペットを演奏していたポン引きのような風体のあんちゃんが近づき「俺の顔で中を案内してやる」と彼を中に誘う。が、まるでコメディ映画のお約束のようにセキュリティにあんちゃんだけがつまみ出される。そしてそのあんちゃんとは若き日のクインシー・ジョーンズなのであった。

ちょっと調べて見るとクインシー・ジョーンズに楽譜の読み方を教えたのはレイ・チャールズだったらしい。あながちこの何気ない出会いのシーンは真実に近いかもしれん。

レイ・チャールズクインシー・ジョーンズ。この2人の音楽界における秀才戦略家がこうして出会い、お互いに一定の距離を置きながら名声を勝ち得ていった過程やその友情(友情があったかどうかは知らない。映画では全く描かれていない)にもうちょっとスポットを当ててくれたら第2次インターネットベンチャーブームに乗っかろうと鼻息荒く起業を目指しているロジカルにモノゴトを考えがちなR25世代の連中で、音楽も映画もあんまし興味がないビジネス一辺倒のそういった層も取り込めるのではないか、とどっちでもいいことを考えながら映画館をあとにしたのであった。