神保町定食屋事情

plagio2005-03-15


スポーツマンシップにのっとって愚直に33年間生きてきた自他共に認めるムキムキ体育会系スポーツマンである私は、先日の日曜、貴族系スポーツの王様であるスキー道具を求めに神田小川町に行ってきたわけです。チャリンコで。
途中横殴りの雪が降るとか、そういや東京は坂の街でチャリに適さないこと忘れてたよゼイゼイとかアクシデントはあったものの、無事シーズンオフ特価で板と靴をゲットし、さて格安定食の宝庫の街でランチを楽しもう、あー今日は日曜だから「キッチン南海」はやってねーしどこに行こう、と考えていたところ異様な光景を目にした。
あの学生御用達、ボリューム満点が取り柄の「カロリー」に行列ができていたのだ。

僕は学校を卒業した後、神保町で3年間働いた。新卒で且つ他社と比べて給料も異様に安かったそのころ、(多分)800円以上した「カロリー」は高値の花だった。つーか、何でM大の貧乏学生が800円のランチ食っていやがんだ、俺がM大の学食で食ってる身分なのに逆じゃねぇか馬鹿タレが。あっ、そんなー、煙草もらっちゃっていいんですか?学生さんにいただいちゃうとは。ありがとうございます。喜んでいただきます。なんか東京ってギスギスしてると思ってたんだけど人情があるいい街ですね。それでは勉強頑張ってくださいねー、などと嫌な記憶が蘇るし偏見も入るが、昼時に混むとはいえそんなに並んで入りたい店なんか?あの油でギトギトの飯が食いたいんか?ここにアベックで来ることがおしゃれなのか?まぁいいや。

いもやの600円の天ぷら定食やキッチン南海の650円のカツカレーでさえ贅沢な部類だったそのころ、僕をやさしくつつんでくれたのが「たつ屋」だった。まだ吉野家が並盛400円だったそのころ、牛丼が300円とかだった*1。加えてカツ丼とかのバリエーションもある。多少の味と衛生面*2に目をつぶれば全然いける口だ。
あとは小川町に近いラーメンエイト。8のつく日は味噌ラーメン300円。通常の日でも味噌ラーメン&半チャーハンで600円。豆板醤、にんにく入れ放題。チャーハンとはいえ作り置きのチャーハンもどきが炊飯ジャーから出てくるところ、特徴がないそっけない味噌ラーメン、全部ひっくるめて素敵だった。

そんな郷愁の中、随分と出世して「ランチに800円ぐらい余裕で出していいぜ!」と思ってしまう傲慢さとともに、「エチオピア」をチラ見。が、やっぱりカレーに1,000円近くは辛い。だったらエロポン2つ買うぜー、と負け惜しみしながらスルーして、向かった先はラーメンエイト。やっぱりラーメンエイト。いくつになってもラーメンエイト。習性は変えられません。あの旨くもないんだけどなんだか惹かれる感に永遠に嵌ってしまっている自分を投影し、軽い自虐をプラウドしながら680円に値上がりしていたラーメンセットをすする図はかなりカッコイイと自惚れる自分を再発見したよい一日となりました。

PS.
今日調整をしてもらった板と靴を取りに再び神保町に行ってきました。今日こそはキッチン南海のカツカレー大盛りだと意気込んでいたのもつかの間、あ、昨日買って半分残っている38円のもやしが駄目になってしまうではないか、と気づき、カツカレーを諦め家に帰ってもやし炒めを食べている自分に感動しました。

*1:現在は牛丼が250円、カツ丼が350円。素晴らし杉。

*2:今はだいぶマシになっている