フレンチ・ポップ編

ジャズ、ボサ・ノヴァと来ればおしゃれ音楽第3弾は当然おフランスおフランスは私の大好物でもあります。フレンチでおセンチで破廉恥なそんなおしゃれ音楽をご紹介していきます。
しかし、そこは自称おしゃれ音楽リーダー(見習い)の私のエレクト、フランス・ギャルクレモンティーヌなどの軟弱勢や、既にコレをお読みのおしゃれな皆様はご存知であろうゲンズブールミッシェル・ポルナレフ*1、すきっ歯時代のヴァネッサ・パラディたんなどは泣く泣く却下だ。イエイエ、ダバダバ系やエディット・ピアフ大巨匠などシャンソンも別ジャンルとして又の機会に。



The Best of Bardot

The Best of Bardot

なんといってもやっぱりB.B.(ブリジット・バルドー)は外せません。ちなみにこれはCDですが、これのDVD版も出ており(タイトル:ディヴァインB.B.)B.B.のおしゃれセンスを学ぶ人は必ずDVDにしましょう。コレに関しては以前書いたのでそちらも参照していただくとして、私も初見の「la bise aux hippies」のインド・ヒッピー姿、「コンタクト」のSF風クレオパトラ衣装、「コミック・ストリップ」のぴたぴたスーツ、「ハーレー・ダヴィッドソン」のカウガール風バイカー服、「ボニー&クライド」のボニー・パーカー姿(フェイ・ダナウェーとタメを張るかっこよさ!)などコスプレオンパレード。エロさは劣るもののバーバレラより絶対面白いおしゃれですって。



ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ ― オリジナル・サウンドトラック

ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ ― オリジナル・サウンドトラック

ジェーン・バーキン主演の同名の映画のサントラ。やっぱりB.B.にせよコレにせよどうしてもゲンズブールは絡んできちゃう。ジェーン・バーキンゲンズブールのエロさ炸裂、ヒロシ&キーボーをも凌駕する夫婦かけあい「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」*2以外の曲は全編、アメリカの魂であるカントリー・ミュージックやロック。しかし映画にせよ、この音楽にせよゲンズブールは固有名詞をもたない一般的なアメリカの風景や音楽を描いたつもりなんだろうけど、どうしてもフランスのフィルターがかかっちゃてる。そこがなんともいえずにGooなわけです。映画と共に自称おしゃれさんは外せない一枚*3



VIVRE?生きる

VIVRE?生きる

吟遊詩人であり俳優であり映画監督でもあり、フランスへボサ・ノヴァを輸入した張本人でもある多彩な活動家ピエール・バルーのデビュー作。フランシス・レイもこのアルバムに噛んでいる。美しいピアノのメロディとアーシーなグルーヴと気だるく曇った声の絶妙なバランスの1曲目が特に心地いい。これはとにかく聴いてください(書くのがめんどくさくなったわけではない)。



L'essentiel

L'essentiel

さて、一応世間的にもおしゃれな3枚を紹介したのでここからは好きなものを書く。まずコレ、プラスティック・ベルトラン君は、フランスのパンクムーブメント(そんなんがあったかどうか知らんが)の中から出てきたラッキーボーイ。音はきわめて軽いポップでキッチュなパンク。画像があるamazonのCDはこれしかないのでコレを紹介してますが、「ca plan pour moi」が入っていればどれでもいいです。邦題は『恋のパトカー』。直訳だと「この世界は僕のもの」とかそんな意味だと思うのですが、女性のコーラスで「ウ〜、ウ〜ウ〜ウ〜」という部分がありこれがパトカーのサイレンに聞こえるので、恋のパトカー。コレ、おしゃれな貴女はできれは7インチアナログでゲットしてもらいたいです。ジャケもおしゃれです。G.I.オレンジやサヴァ・サヴァやリマールのようなチープ感がアートしてます。あ、そういやこの曲、確かソニック・ユースアメリカ大統領(The President of the United States of America)もカバーしてた気がする。あとの曲はどっちかっていうとスカっぽい感じが多い。



Un Autre Monde

Un Autre Monde

フランスでは誰もが知っている(らしい)超有名なロックバンド、テレフォン。フランス語でロックしてるだけで私を含めジャポネはおしゃれに感じてしまうからアラ不思議。このバンド、活動時期が80年代前半からということもありちょっとパンクを思わせる曲もありますが、全体的には非常にシンプルなロック。しかししかし「Un Autre Monde」などはいい曲です。とっても切ないメロディと息絶え絶えな今にも途切れそうなか弱い声が、母性本能をくすぐりまくり貴女のハートをわし掴み。また「Electric Cite」はのJAPANの「Adolescent Sex」を意識したようなDISCOTHEQUEなナンバー。これで彼氏と一緒におしゃれにダンスだ。
※ぬわんと、アマゾンで視聴できます!



ルイス・フューレイ

ルイス・フューレイ

さて、引き続き我が道を行く。お次はカナダのケベック出身でおフランスで活躍した俳優兼ミュージシャン。ジャケからもデカダンな匂いがプンプン発せられてますね。こう書くと未も蓋もないのですが音的にはトム・ウェイツのやさぐれ場末感に、ロキシー・ミュージック(というかブライアン・フェリー)の変態デカダンさを合わせたような感じ。一曲目は六本木艶女アデージョ)に密かにブームのタンゴナンバー。しかし、オーソドックスなアルゼンチンタンゴという感じではやっぱりなく、パリの妖しく危険な香りの漂うキッチュさも見え隠れするからやっぱりこのヒト凄い。この写真からは想像できないようなまぬけな素敵な声もポイント高しです。



モンスター

モンスター

次。フランスのビザール怪人、ジャド・ヴィオの登場だ。フランスのシスター・オブ・マーシーとかフランス版バウハウスとか言われているようだが、ぜんぜんちがーう!そんな根暗な音楽じゃありません。CDの帯を見ると「本国フランスで絶大なる人気を誇る*4前衛グリッター集団」とあるが、これも誤解を招く。こんな書き方だとレジデンツだと思われてしまうではないか(まぁ実際近いんだが)。このバンドの歌ってるテーマは「愛」なのですよ。愛ですよ。OLさん。しかも悪意と洒落とエスプリと詐欺と本気がぐちゃぐちゃに入り混じった、変態愛。ぐっと来ます。
またクレジットはされていないが、すべての曲が終わった後に、ロッキー・ホラー・ショーの「スウィート・トランスヴェタイト」のコピー(ほぼ完コピ)がフランス語版で入ってるのである。これだけでも聴く価値はあります。



Euroman Cometh

Euroman Cometh

紹介は5枚だけに、と思っていたが止まんない。最後はストラングラーズのやんちゃ坊主兼ベーシスト、ジャン・ジャック・バーネルのソロアルバム。ストラングラーズの「ラ・フォーレ」のジャン・ジャックのフランス語での語りとあの曲の雰囲気も相当うっとりするが、コレは、現代音楽的アプローチというか実験音楽というかポストモダンなアルバム*5。凄くのびのびやってる感が伝わってきます。
ジャケはポストモダン様式の代表的な建物である「ポンピドーセンター」ですね。LPで買って音は聴かずに飾っておくというのがおしゃれ。というか正解かもしれない。

*1:おいらポルナレフ師匠はホントに死ぬほど好き。「トランペット」などは涙が出てくる。

*2:BBバージョンも存在する。しかしジェーン・バーキンバージョンのが情念的で私は好き。

*3:個人的にはこの映画をおしゃれと区分するヒトのセンスが全く理解できないが。

*4:こういうコピーの場合、往々にして絶大なる人気を誇らない場合が多い

*5:まぁ見方を変えればノイズであり屑音楽なのだが